石油にかかわる様々な工場は有機的に繋がっている

1)身近な製品へと形成されるまでの仕組み

日本では、100円ショップやディスカウントショップ、ホームセンターなど様々な形態の会社でプラスチックを使った製品が販売されています。

これらを作るには多くの場合、石油が必要になってきます。

日本には高度成長期時代に発展したコンビナートが全国にあり、ここではプラントがパイプを通して有機的に繋がっています。

日本型コンビナートは複数の企業が参加して運営しているのが特徴であり、コンビナートの運用資金が乏しかった時代に複数の企業が参加する事で日本政府が調整し易い環境を築き上げてきました。

各工場がパイプで繋がっている事で、原料をスムーズに受け渡す事ができ、その原料を使って国内に流通しているプラスチック製品などが生産されています。

海外の油田からタンカーで日本に運ばれてきたオイルを原油貯蔵所で保管し、必要に応じて精製プラントで石油を精製していきます。

この精製された重油は火力発電所のタービンを回す為に使われたり、ガス化してガス工場に貯蓄されたり、ナフサを精製してナフサ分解プラントで石化基礎製品を作ったりします。

この石化基礎製品は石化誘導品プラントで石化誘導品を作り出し、関連企業の工場で更に工業製品や商業向けの製品が生産されていく仕組みになっています。

精製プラントからナフサ分解プラントへナフサが運ばれますと、プラント内で化学反応を起こして、ナフサを色々な原料に分解していく事になります。

エチレンやプロピレンやブタジエン、ベンゼンやトルエンやキシレンなどといった物に分解し、これらを石化誘導品プラントへ運ばれて、更に化学反応を起こさせて、ナフサから分解して生成された石化基礎製品を他の工場へトラックなどを使って運び易い形にします。

 

2)エタンとナフサの使われ方

石化誘導品プラントで行われる工程までが石化プラントにおける役割となっており、ここから先は実際に石化誘導品を使って、消費者の日常的に身近な物へ加工していきます。

関連産業工場で作られる主な物は、プラスチックや合成繊維原料や合成ゴム、塗料原料や洗剤原料などです。

この辺になってきますと、消費者に身近な物ばかりになってきますので、石油がどのようにして身近な製品になってきたのかが理解出来るようになるでしょう。

精製プラントでは、貯蔵所のタンクから精製プラントに運ばれてきた原油を蒸留塔で様々なオイル製品に分ける作業が実施され、この中のひとつであるナフサが石化製品の原料になります。

近年、海外ではナフサの代わりにエタンを使うケースが多く、このエタンはナフサと比較して非常に安価である為、日本型のコンビナートを不利な状況に陥らせている原因になっています。

エタンは産油国が建造した巨大コンビナートで使われており、このエタンはオイルが出る際に生まれる副産物であり、近年ではアメリカにおいてシェールガス革命が起こった事で、そのシェールガスの副産物にもなっています。

オイルからもシェールガスからも出てくるエタンは、出てくる量もとても多く、その結果、安価に流通するようになってきました。

日本では、ナフサだけでなく、エタンも使われる事がありますが、その量は未だにナフサの方が多いです。

 

3)暮らを支える重要な拠点

海外では巨大コンビナートが次々と誕生し、特にアメリカや中東の産油国のコンビナートは、膨大なオイルやシェールガスを採取出来ますので、オイル製品の原材料のコストを低く抑える事ができ、日本型のコンビナートの脅威になっています。

日本のコンビナートは、複数の企業で運用されていますが、海外の主なコンビナートは一つの巨大企業、あるいは産油国の政府が運用しているケースが主流です。

その為、世界的なニーズに対応し易くなっているのが特徴です。

日本は、海外の石化プラントに対抗出来るだけのスケールメリットを生み出す為に、石油コンビナート高度統合運営技術研究組合という活動を一部の関連企業が実施しています。

精製プラントやナフサ分解プラントなどで構成されている日本型コンビナートにおいて、最近では基幹設備であるエチレンプラントが関わる段階での再編が行われています。

今までは誘導品レベルの再編は行われてきましたが、エチレンプラントにおいては、なかなか再編が行われてきませんでした。

石化コンビナートの役割は重要であり、消費者が普段使っている物の大半は石油が無ければ、作る事が出来ません。

高度成長期時代に建造された日本型コンビナートは、海外の新しい設備を設置しているコンビナートと比べて、生産能力に厳しくなりつつあります。

スケールメリットを維持する為に、石油コンビナート高度統合運営技術研究組合といった工夫が施されるようになってきました。

国内では様々な再編が行われていますが、日本型の石化コンビナートは岐路に立たされています。

しかし、現在においても石化コンビナートは、国内の消費者の暮らしを支える重要な拠点である事は変わりません。

企業の努力によって、様々な製品が今でも生産されています。