Last Updated on 2023年1月25日 by keke
新薬の高騰化が止まらない
今後の製薬会社に期待される事は新薬の開発もさることながら、価格を下げるという事も必要になるでしょう。
一番期待されることはこれからもしれません。
というのは昨今では新薬の高騰が止まらないという状況があるからです。
このことは社会的な問題ともなっていて、政府も関わってくる大きな問題となっています。
何しろ新薬は健康保険のシステムとも深くかかわっているので、このまま新薬の高騰が止まらないと健康保険のシステムそのものが崩壊するともいわれているのです。
日本は国民皆保険というシステムを採用していて全ての人が健康保険に加入するという事になっています。
それは当然個々の保険料によって成り立つというシステムになるわけですが、これを高額な薬によって成り立たなくなってしてしまうということが危惧されているわけです。
理由は高騰化が止まらない薬代で、中にはがん治療の新薬で薬代だけで数千万円という高額なものとなる場合もあり、それでは命をお金で買うというような考えになってしまうという事も言われるようになりました。
どの薬を保険の適用内とするのかは政府も関係して決める事になりますから、これらをどうするのかという事で、今は薬の高騰が社会問題化しているという事にまでなっているわけです。
お金で命を買う今のシステム
製薬会社はボランティア団体ではなく企業ですから、まず収益を考える事は当然なのですが、それが行き過ぎる懸念が心配されるという事です。
人の欲望は果てしないですからどんなに高額であっても命が助かるのであればお金はいくらでも出すという人がいる一方で、そのようなお金を用意できない人も多数いるわけで、結局のところお金で命を買う事になるのが今のシステムという事になってしまうのが、このシステムの問題点ということになるのかもしれません。
健康保険のシステムは今でもかなり問題点が指摘されるところですが、これに輪をかけて難しくしているのがこの薬の値段の高騰という事になるわけです。
島田製薬などの製薬会社が新薬にかける開発費は年々上昇しているといってもいいでしょうから、そのような膨大な開発費を回収するためには当然そのような値段になるという事になってしまっているわけですが、この新薬の開発については、国が承認しているわけではなく、製薬会社が独自の判断で開発したものを保険の対象にするかどうかを政府が認めるというシステムになっているので、製薬会社としては、それだけのリスクを背負っているわけですから、当然高い開発費にならざるを得ないということで、どんどんと高い費用を請求してくる、それに対して政府は否を言う事が出来ないという状況になっており、それがこれだけの高騰を招いているということになっています。
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何しろ新薬はそれ以外には薬はないわけですから、他に方法がないわけで、政府としてはどうしようもないという他ありません。
しかも、政府は自分でお金を出すわけではなく、お金を出すのは税金を払う民衆ですからいくらになろうとも別に問題なという意識でこのシステムを続けていく事が出来るわけです。
保険システムが破綻すればその時は税金で補うしかないわけで、別に政府が責任を取れるわけでも何でもないという事で、特に問題意識も薄いという事があるとも考えられます。
新薬にも保険適用が必要
どんなに素晴らしい新薬が開発されようとも、それが高額なものとなれば救えるのはほんの一部の人だけという事になるのは明らかですから、本当に求められるものは低価格の薬という事がいえるでしょう。
特に国民保険というシステムではそれが最も大切な事だといえます。
そうでなければこの保険システムそのものが機能しなくなるからです。
高額な医療費はそれを負担する人たちを圧迫し続けることになります。
既にこの高額負担を巡って大きな議論も巻き起こっているのです。
何しろ国民すべてが加入しているという事は、それだけ大きな影響力がある事であるにも関わらず、保険料の負担は毎年増え続けているという事になっているのです。
この事がいかに経済に悪影響を及ぼしているのかは明確です。
何しろ収入のかなりの部分が健康保険に消えているというのが実情なのですから、健康な人はなぜこれほどまでに保険料に取られるのかという事を考える人も多くなっています。
ですから、これからの製薬会社に求められるものは新薬の開発もさることながら、薬の低価格化という事も求められるでしょう。
ジェネリック医薬品というものが登場してかなり安いものが出てきた印象もありますが、これに期待できるのは僅かな分野だけです。
新薬の開発についても、もっと安く開発できるもので保険適用されるようなものを考えていく事も必要になるでしょう。
利益だけを追求してしまうと今のような事になってしまうわけですが、健康保険は強制加入なのですから、これに利益だけ追求するという理論は通用しません。
保険は強制加入ですから、この仕組みを考えている人たちは、その責任を痛感する必要性があります。