Last Updated on 2023年1月25日 by keke
声楽を習い事として勉強しており、高校1年生まで音楽大学の声楽科を志望していて挫折した私ですが、音楽大学には普通に受験しようと思ってもなかなか入ることはできません。
一番のネックは学費です。
声楽の先生に相談したところ、山一つ分のお金が消えることは覚悟しておいたほうがいいと言われたことを覚えています。
しかしこれは私が音楽とはあまり関係のない一般的な家庭で育ったために生じた問題でした。
音大に通う生徒というのは大抵小さいころから英才教育を受けており、親も音大を出ている人のほうが多いと考えたほうがいいでしょう。
また、受験の勉強方法も異なってきます。
普通の大学であれば筆記試験で通りますが、音楽大学の場合は専門的な知識が必要になってきます。
そのため、高校も音楽科のある高校に通っている人も少なくありません。
すでに将来は音大に進学し、そうした職業に就こうと考えている人も多いというのが実情です。
受験は実技試験も当然あると考えたほうがいいでしょう。
ピアノにしても声楽にしても、実技は相当なレベルの高さが必要になってきます。
そのため、高校1年生までは私も声楽の先生につきっきりで見てもらっていました。
ハイレベルで時には夜遅くまでのレッスンがあり、とても厳しかったのを覚えています。
音楽の道をやめてしまったのは学費が一番の理由でしたが、自分は一般の家庭に育ったために高校も普通科でしたし、英才教育を受けたわけでもなく、小さいころから音楽があることが当たり前の環境で育って音楽に取り組んでいる子と比べてみると、その子たちの中でやっていくのはとても無理で壁があると思い知ったことも大きかったです。
また、音楽には才能も必要となってきます。
自分には努力はできても才能はそこまでではないと気づきましたので、やめることにしました。
それ以上に音大を出た先の進路というのが自分の中ではとても曖昧になっていたのです。
それでも未だに先生は声楽を続けられて様々な舞台に立ち活躍されておりますし、交流がありますので自分なりに音楽を楽しんでいます。
そして音楽大学というところにも興味は尽きません。
知り合いには同じく一般的な家庭から音楽大学を出て、そのまま金管楽器のプロとして日本中を飛び回りあちこちで活躍している人もいます。
音楽は専門性が高いだけに活躍する場や就職する場も限られてきますが、時々思うのが、音楽を続けている人は意思がとても強く美しいということです。
そして磨けば磨くほど、何歳になっても光るということです。
声楽の先生は現在私が高校生だったころよりも更に澄み渡った美声で歌っています。
先生の子供は私が出会った頃は3歳でしたが成人し、結婚もされました。
その間、先生は歌を磨いていたのです。
そうした人の成長や深みを知ることができるのはとても嬉しいことだと思い、挫折はしたものの清々しい気持ちで活躍している人たちを見ることができています。